復興と日本の鉄道

日本の鉄道は、過去の災害や戦災で甚大な被害を受けながらも、奇跡的な復興を遂げてきました。1891年の濃尾地震では、多くの鉄道橋が落下することになりますが、明治政府の努力もあって迅速な形で復旧しています。1923年の大正関東地震では、東海道本線の馬入川橋梁が倒壊していますが、架け替えは迅速に行われています。現在でも倒壊したレンガ橋脚の一部が残り、震災の凄まじさを伝えています。

関東大震災ではレンガ造りの構造物が倒壊することが多かったために、震災後は駅舎も含めて、コンクリート構造で作ることが多くなりました。1914年に作られた東京駅丸の内駅舎は、そのままの状態で使われますが、今度は第二次世界大戦の空襲で被災することになりました。戦後にはドーム屋根を改修して、近年になってから往時の形で復原されています。

戦争の影響は全国に及び、荒廃した状態になっていましたが、復興とともに鉄道網にも活気が戻りました。空襲で焼けてしまった街並みが修復されると同時に、線路も正常な状態になりました。終戦の直後には食料が著しく不足していたことから、買い出しのために列車を利用する人が多くなりました。結果的には鉄道のおかげで、戦後復興のスピードも加速することになったのです。